「私をつれて逃げて」
なんか、どこやらで聞いた事のあるようなくさいセルフ。
しかし彼女は「必死でした」
電話の声は、震え、泣いていた。
「どこにも寄り所のない不安な気持ちを、酒でごまかし、夜も眠れなかったのでしょう」
僕は「どうしたんですか」?
「もうだめ!死にたい!片山さん、助けて」
「・・・・」
返す言葉が出ない
「なんか言って」
あかねさんの声は、次第に小さくなっていった。
本当にこんな時、何も出来ない。いやどう対応して言いか僕にはわからなかった。
カッコよく「今どこですか」?なんて言葉もでない。
「死ぬなんて考えないで」なんて言葉も出ない。
みんなテレビの見すぎ(笑)
「あした来てくださいね」「お待ちしています」
なんてありきたりの言葉しか言えなかった!
酔ってるんで多分大丈夫かなって思ってた。
翌朝、あかねさんは朝一番でやってきた。
ノーメークで目は真っ赤
あかねさんは「夕べの事をぶっきらぼうに、ごめんね」というと
いきなりメークの出来ない僕に、「メークして頂戴」
「僕まだメイクようわかりません」
「いいの!片山さんして」
「ブルーのシャドーをして」
「ブルーですか」?
リップもまともに塗れない僕の手は震えていた。
それ以上に「震えていた」あかねさんの「心」を、このとき僕は、まだわからずにいた。
出来上がったメイク姿は、お世辞にもかわいくなかった。
しかし彼女はその顔のまま近くのデパート「大丸」に買い物に出かけた。
そして思いがけない姿で、彼女は僕の目の前に現れてきた。
さあどんな姿で、彼女は・・・
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