老化のサインは、はっきりとした形で現れます。男性の場合ですと、髪の毛が薄くなったり、白髪が生えてきたりします。これは肌においても同じです。肌老化のサインを的確に見抜くためには、しわの正体を熟知する必要があります。
人間の肌は大きく分けて、表皮、真皮、皮下組織、この3つの層から成り立っています。最も外側の層である表皮は、加齢と共にどんどんと薄くなり、保水機能も低下していきます。表皮細胞は、10年に約10%のペースで減少していくため、肌が乾燥しがちになるほか、再生機能までもが低下してしまいます。
表皮が薄くなると、その下にある真皮層にも影響を及ぼします。コラーゲンの減少やエラスチンの乱れから肌は弾力性を失い、しわやたるみが出てきます。また、汗腺の数も減少し、汗をかきにくくなります。
しわの原因は加齢だけではありません。肌の老化の90%が、「UV-A」、「UV-B」などの紫外線による影響だという研究結果がたくさん出ています。紫外線による肌老化の進行具合は、色素の違いから人種によって異なるようです。
環境因子がしわの原因になるという意見もあります。例えば、タバコの煙や汚れた空気を吸い込むと、活性酸素(フリーラジカル)が発生して肌の老化につながるといいます。活性酸素が大量に発生すると、しわだけでなく、さまざまな肌トラブルの引き金となります。
急激な体重の減少で、しわができる場合もあります。クッションの役割を果たす皮下脂肪や筋肉が減り、肌にたるみが生まれるためです。
しわの主な原因は以上の通りです。一度傷ついてしまった肌を治療することはできるのでしょうか?
多くの皮膚科専門医は、肌の裂け目を修復する「レチノイン酸」の摂取を勧めています。他にも、角質除去クリームやダーマブレーション(皮膚擦傷法)、コラーゲン/ボツリヌス注射、レーザー療法など、治療方法はたくさんあります。傷ついた古い肌を綺麗にはぎ落として、内側の新鮮な肌を表に出してあげましょう。
しかし、これらの治療法がすべての人に適しているとは限りません。患者の年齢にもよります。治療を受ける際には、効果や安全性、副作用などについて、治療経験が豊富な専門医師にご相談ください。複数の治療を平行して受ける必要がある場合もあります。
普段の生活の中でも、美肌のためにできることは沢山あります。
日差しが強い午前10時から午後4時は室内で過ごす
クレンジングには無添加を使用する
化粧水はSPF30が入ったものを使う
この3点を意識するだけで、ずいぶんと違います。
しわの発生は、ごく自然なメカニズムです。誰にも避けられません。とにかく私達にできるのは、適切なスキンケアを続け、老化を遅らせることです。
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