笑顔が美人を作る

笑顔が美人を作る
よく言われています。
でも当たっていると思います。

ということで昔話から・・・

江戸時代の話です。
元日の朝、大店の主人が床の間に雑巾が置き忘れてあるのを見つけて、「元旦だというのに、こんな汚らしい物を床の間に置き忘れるなんてとんでもない」とカンカンになって女中を叱っていました。
そこへ蜀山人(江戸時代の狂歌師、大田南畝)がぶらりとやって来て
「雑巾を 当て字で書けば 蔵と金 あちら福々 こちら福々」と詠んで聞かせました。
これを聞いた主人は、コロッと恵比寿顔に変わり、さっそく雑巾をもって来させて、わざわざ床の間に飾ったということです。

要は、モノの考えようです。
どうせこの世はままならないものと腹をくくって、年中物事の悪い面ばかり見て愚痴を言ったり腹を立てたりして過ごすのではなく、すべてを良い方に解釈し、ニコニコ過ごそうと努めることです。
病は気からと言うが、笑いも同じで、笑うから楽しくなるのです。
無理してでも笑っていると、この世が自然と楽しくなってきます。
そして、顔が内側から綺麗になってきます。

もうひとつお話を・・・

劇作家、真山美保さんの作品に『泥かぶら』があります。
醜いがゆえに村の人々から嘲られ、子供たちからは石を投げかけられたり、唾をかけられたりする女の子がいました。
「泥かぶら」と呼ばれたその少女は、悔しがって怒るほどに心が益々荒れ、顔は醜くなっていきます。
そんな時、たまたま通り掛かった旅の老人が、竹の棒を振り回して怒り狂う泥かぶらに向かって、次の3つのことを守れば村一番の美人になれると諭します。

・いつもニッコリ笑うこと
・自分の醜さを恥じないこと
・人の身になって思うこと

少女は美しくなりたい一心で、その日から血のにじむような努力を始めました。
何度も挫けそうになりながらも、また気を取り直して始めます。
いつしか泥かぶらの顔からは憎しみが去り、その心は穏やかになってきました。

ある日、村に人買いがやって来ました。彼女と同じ年頃の娘が買われていくことになっていました。
その時、泥かぶらは、自らその娘の身代わりになることを申し出て、買われていくことなりました。

しかし道々楽しげに村や子供たちのことを語る泥かぶらに、いつしか人買いの心は動かされました。
そして、「ありがとう、仏のように美しい子よ」と、置き手紙を残して去っていきます。

笑顔が自分だけでなく、他人をも救うのです。

なんといい話(笑)

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